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―――「そら」が、みえない。
彼女は、真っ暗闇の中に目を凝らし、必死に「そら」を探した。
雪が降っている。空はきっと、どんよりとした灰色の雪雲に覆われているのだろう。屋上で、更に空に近づくように背伸びしてみても、その向こうにある筈の「そら」は、やっぱり見えなかった。
星が見える夜だったら、もっと理想的。
せめて、月明かりがある日なら、まだ良かったかも。
でも、今夜。
今夜にしよう。
だって今、最高に、楽しい気分だから。
私を地上に繋ぐものは、もう誰もいない。ずっと、そんな状態になるのが、心のどこかで怖かった。
なのに―――いざその瞬間が訪れてみれば、今の気分は、こんなにも楽しい。
今、最高に、自由な気分。―――だから、飛べる。今なら。
地表から、宇宙と呼ばれる外気圏までの距離は800マイルだって、
じゃあ、ここから陸のいるところまで、距離にして何マイル?
「そら」までの距離って、何マイルなのかな―――…?
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