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 「サグラダ・ファミリア」、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

 あれは確か、2004年の10月―――月1の定例チャットでのこと。
 結城が、遊び半分でリークしたお話が、この「サグラダ・ファミリア」を生み出しました。

 「2004年10月現在、猫柳は、1児の父になっている。相手は既に、本編に登場している」

 猫やんの相手探しの始まり始まり(笑)
 この時既に、舞とくっつける設定は出来上がっていた結城なので、読者のみなさんがあらぬ方向に想像を膨らませるのを見ながら、一人くつくつとほくそえんでいたものです(悪魔ですね)。
 にしても―――いくらそういう設定を立てていたとはいえ、まさかこんな風に、10話もある連載になってしまうとは。さすがにそこまでは想定外です。特定の脇キャラに対する偏愛だって、他の脇キャラからクレームが来るなぁ。

 今回のこのお話、タイトルはすぐに決まりました。
 というのも、このお話を書く前に、「Presents」で「ハピネス」というキリリクを書いていたから。舞とイズミの過去話ですが、その中で、「サグラダ・ファミリア」でも触れた聖母子像のエピソードを書いたので、おのずとタイトルは「サグラダ・ファミリア(聖家族)」となったのです。
 エピソード自体は、「COMPLEX」執筆時に浮かんだもので、当初の想定にはなかったものです。
 父親の分からないイズミと、そういうイズミを抱えている舞を、忍はあるがまま受け止めて、それでよしとした。なんだかイエス・キリストの一家と通じるものがあるなぁ、と、唐突に思いまして―――で、その唐突な思いから、「COMPLEX」、「ハピネス」、「サグラダ・ファミリア」の3作品に挙げられたエピソードが生まれたんですね。

 相変わらず、結城の生み出すキャラは、少々常識ハズレと言うか、掟破りと言うか、「おいおい、そう来るのか、そんな結論が出るのか」という妙な方向の結論を出して、本人たちだけ納得してる気がします。
 特に、イズミと尾崎をめぐるエピソードには、賛否両論、ご意見をいただきました。やはり子供はルーツを知るべきなのでは、という意見も当然だと思うし、イズミの気持ちがとてもよく分かるという意見も、イズミを生み出した結城なので、よく分かります。
 どちらが正解とか、どうあるべきか、というのは、結城の中にはありません。ついでに言うと、イズミ以外のキャラが同じ立場なら、多分、全然違う答えを出します。
 ただ、イズミというキャラクターは、あれ以外の答えを持っていません。彼の歩んできた14年間が、彼をそういう答えに導いているから。
 多分、忍も言うでしょう。「イズミ君がそう思うんやから、それでええやんか」―――100パーセント舞からできている、と信じられるイズミは、父親を知らずともハッピーそうです。
 いつかまた、大きくなって価値観が変わった時、やっぱり父ちゃんが誰だか分かるなら知りたい、という日が来るかもしれませんね。その時はその時で、多分、忍や舞が、一番いい方法を考えるでしょう。なんとなく、あの2人が出す答えなら大丈夫のような気がします。


 最後になりましたが。
 とりあえず、朝倉一家のお話は、これにて完結。ご要望が多ければ、突発短編などを書くかもしれませんが…どのみち、彼らの明日は、明るいです。
 皆様、サブキャラの中編連載という特殊な連載、お付き合いいただき、本当にありがとうございました。

 

2005.6.25 結城とも


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