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 「anthology ― アンソロジー ―」、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

 この作品は、はっきり言って結城の自己満足のため&熱烈な読者様のためのサービスのために書いたものです。ですので、少々、一般読者様には「なんじゃこりゃ」な作品となってしまったかもしれません。
 「Step Beat」を読んでいなければ、絶対分からない話、かつ、最終話「anthology」については「Step Beat × Risky」を読んでいないと、なんで2人が一緒に仕事をすることになるんだ? とわけが分からなくなる話。…かなり、敷居が高くなってしまいましたね(汗)

 この作品に出てくるエピソードたちは、「Step Beat」をオフラインで書いていた時期、「Step Beat」に盛り込むべきかどうか悩み、結局切り捨ててしまったものばかりです。
 特に、瑞樹とイズミのエピソード、瑞樹と琴子のエピソード、そして蕾夏と広瀬のエピソードは、とても重要なシーンが多かったため、切り捨てる時には相当迷いました。いいのか? 本当に削っちゃって大丈夫か? と何度も逡巡し、結局、話数の関係と前後の流れの掴みやすさ、登場人物の混乱を避けるなどの目的のために、泣く泣く削ったのでした(100話で足りないんかい、自分)。
 切り捨てたはいいけど、やっぱり公開しないのは惜しい。どこかで出したい。でも出すことができない。うーんうーん。
 という結果、こんな妙な作品が出来上がってしまったのでした。ああ、やれやれ(笑)

 この作品を読むと、「Step Beat」の瑞樹や蕾夏と、多少違和感を感じる方がいらっしゃるかもしれません。
 瑞樹はおそらく、「Step Beat」よりも物静かで穏やかなムードだと思いますし、蕾夏は逆に、刃物の切っ先のような鋭さを持った少女に描かれていると思います。それは、蕾夏の方がトラウマを背負ってからの期間が短いということも関係していますし、瑞樹が誰にも本来持っている激しさを見せなかったから、という事情もありますが…特に蕾夏ファンの方は「蕾夏が痛々しすぎて、辛い」と思ってしまうかも…。
 瑞樹が蕾夏の前で見せる表情や、蕾夏が瑞樹の前で見せる表情は、実は他人に対するそれとはかなり異なっています。今作品で彼らが見せているのは、他人に見せる表情ですので、「Step Beat」で描かれた「2人でいる時の表情」とはどうしても異なってしまうんですよね。
  本来、瑞樹は「優しい人間」で、蕾夏は「強い人間」です。
 逆に思われがちな2人ですが、全ての仮面を取り払った時に見せる顔は、やっぱり、瑞樹は優しく、蕾夏は強いのだと思います。
 そんな、彼らの意外な本当の姿が、この作品を通して垣間見ることができればな―――と思いながら書いた、全10エピソードでした。

 さて、1つ、読者様も「んんん?????」となっている部分があると思います。
 それは、エンディング。
 由井と再会した(らしい)蕾夏と、安積と再会した(らしい)瑞樹。再会にあたって相手から聞かされた話に、それぞれ、落ち込んでしまっています。
 何を聞かされたんだ、と、どちらも気になっているようですが――― 一番気になってるのって、読者様ですよね(笑)
 残念ながら、その答えは、まだ暫く出てまいりません。
 「Step Beat」の第3弾まで、お待ち下さい。(そんな殺生な……)
 いえ、別に、気をもたせるわけでは…(笑) でも、話の都合上、ここで明かす訳にもいきませんので。

 最後になりましたが。
 こんなけったいな企画に、最後までお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。
 瑞樹と蕾夏の話は、まだこの先も続いていきますが、この話を通じて少しでもこの2人を好きになっていただければ、とってもとっても幸せです。

 

2004.10.4 結城とも


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