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― afterwords ―

 

 「Home. -Fake! 2nd season-」、本当に長期に渡る連載となりました。

 いやー、きつかった。
 登場人物が多いとか、多元中継が多いとか、1話の長さが長いとか、そういう執筆面の「きつい」も、あるにはありましたが―――何よりきつかったのは、この連載がスタートするとほぼ同時に、生身の結城自身に、色々なことがありすぎたことでした。
 たとえば、自分自身に、命に関わる病気の疑いがかかったり。
 その挙句、持病が2つも見つかって、生活面で色々面倒が生じてきたり。
 夫婦揃って、仕事面で色々起きたり。
 そして何より、離れて暮らす父が、あの年齢で、日本に3桁しか患者のいない超難病に倒れたり。
 「Home.」をこの時期に書いたのは、本当にただの偶然だったんだけど、奇しくも、この連載と同時進行的に、夫婦とは何か、家族とは何かを、かなり真剣に考えなくてはいけない場面に、何度も遭遇した訳です。
 …神様も、意地悪が過ぎますね。

  さて、そんな「Home.」ですが、これまでの作品に比べて、テーマが物凄くファジーで広義的かもしれません。
 Home。家、家族、故郷、拠点―――捉え方によって、意味は様々です。
 だから、作品中で扱ったHomeも、多種多様。“Jonny's Club”であったり、親であったり、日本であったり、イギリスであったり。最終話まで読んでも、そこに描かれた「Home」の姿は、曖昧なもので終わったかも…。
 そんな事情もあって、いくつか、結論を出さずグレーのまま残したエピソードも、いくつかあります。

 結局のところ、「Homeとはこういうもんだ」と1つに決められない、というのが、結論なのかも(笑)
 「家族っていいもんだよね」も真実だし、「家族って嫌なもんだよね」も真実。「家族だからこうあるべき」なんてはっきり言えるものは、実はないんじゃないかな。理加子の家庭は明らかに崩壊してるけど、それを無理矢理繋げるのがベストな選択とは思えないように。

 奏と咲夜の物語、という意味に限定すれば、「付き合い始めて離れ離れになるまでの1年弱」という位置づけを最初から決めていたので、何としても奏がイギリスに行くとこまでを60話に収めなくてはいけないから、結構大変でした。まあ、大変なのは、主役2人以外の話が多すぎるからなんだけど(笑)
 いろんな経験を経て、ちょっとだけ、認めることのできなかったそれぞれの「Home」と向き合い始めた2人。
 奏はイギリスでしっかりした道を見つけることができるのか。咲夜たちはプロとして活動できるのか。就職活動時期になる蓮や優也はどんな未来を選ぶのか。由香理は真田とどうなるのか。理加子はその後どうなったのか。
 いろいろ、いろいろ残したまんまですが―――それは、「3rd season」にて

 え、まだ続くのか、って?
 続きますよ(笑) 一応、それぞれのエンディング(といっても、人生は続くから、ある程度の決着点)は、キャラが生まれた当初から決まっていて、まだそこに到達していませんから。

 最後に…サイト存続が危ぶまれるほど、更新頻度が低くなってしまったこの連載に、最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
 この物語の続きも、既にプロット段階に入っていますので、近日中にお目にかけられると思います。
 その時には、呆れるほど真っ直ぐな奏と、ニヒルなのに臆病な咲夜という、このおかしな2人の恋物語に、またお付き合い下さい。


2008.10.02 結城とも


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